2018年1月17日水曜日

065 「薬の事で妙な判断をするなあ」の患者さんの事例集 (2006.12)

65・ 「薬の事で妙な判断をするのだなあ」という患者さんの事例集  (2006.12)

医師の私から見て、或いは私のキャラクターからして、「妙な判断をされるので、もう少し適切な判断をして頂きたい」という事例集です。

狭心症の薬を服用している人が風邪薬をもらったが、飲み合わせが心配なので、いつもの狭心症の薬を止めた。・・・・・「信じ難い!しかし良くある話である。どっちが大事なんだ。大抵は一緒に飲んでも大丈夫。疑問に思ったら、すぐに電話ででも相談してほしい」
慢性疾患で2週間投与の患者さんが途中で風邪を引いた。いつもの薬が後3日分あるので、3日間我慢してちょうど2週間目に受診されて、「3日前から非常に具合が悪い」と言う・・・・・「予約制でもないし、予定受診日に来ないといけないことはないけど」
同じように、慢性疾患で4週間投与の患者さんがいつもより2日前に来られて、「今日は都合が良かったので、2日前ですが来てしまいました」としきりに弁解される。・・・・・「薬抜けは適切ではないが、常に余裕を持って数日前に来ておくというのはむしろお勧めなので、早めに受診されることはなんの不都合もありませんけど」
前回、処方を変更してみた。今回受診された時に、「今度の薬になってから調子が悪い」と言われたが、その間はきっちり服用し続けていた。次のように、もっとびっくりする場合も結構多いのです。「前回の処方は間違っていたですぞ」と言われたが、怪しからんと思いながら2週間飲み続けていたと。・・・・・「是非、問題にお気づきになった時は少なくとも直ぐに電話頂きたく思います。こういう話は直ぐ対処させて頂きます」
◆以前から飲んでいる漢方薬の効果は良いかどうか分からないがずっと飲んでいる・・・・・「効果が不明な薬は常に止めるのか良いかどうかチェックすべしです。漢方薬はずっと服用しないといけないように思わせるような医者はいい加減か、経営的な魂胆があるかもしれない」
「この薬を飲んでも副作用はないですよね?」・・・・・「気持ちは分かりますが、絶対に副作用はないという意味合いであれば、処方はしません」(2号・3号参照
4つの薬を処方通りに服用したら、アレルギーと思われる痒疹が出現したので、この薬のせいだと思ってこれだけを止めたが、まだ治らない。・・・・・「医師の私にもどうしてその薬を怪しいと思ったのかが判らないので、大変興味を持って、どうしてそれと思いましたかと質問したが明確な答えはなかった。事情が許せば全部止めることも、確率的に一番ありうるのを止めてみるというのもあります。副作用と思われる症状の程度によっても違います。やっぱり、再診していただくか、少なくとも電話でも頂きたい」
今日は体調が悪く食事はあまりしたくなかったが、定期薬を飲むためにがんばって食事を摂ったと。或いは、食事が摂れなかったので、定期薬は飲まなかった。・・・・・「大抵の定期薬は別に食事をしないと効果がないとか、変になるというものではないと思います。飲み忘れの防止の為に、そのタイミングが良いというのが一番の理由です。ただし、胃の大変敏感な方は空腹での薬剤服用は症状がでるのかも知れません。そういう場合でも、フルの食事をしなくても、米飯1口やお菓子1~2個でも良いのではありませんか」


最後に、A医療機関で処方を受けている方がB医療機関に受診される場合は必ず、Aでの薬剤内容をBに提示してください。薬剤情報提供書を持っていくのが一番宜しいです。薬そのものだけでは、見ても直ぐに薬の内容が分からず、辞典で調べる手間がかかって困ります。そして、同じように次回Aに受診する際には先日のBの薬剤情報を知らせて頂きたいものです。ご自分を守るためでもあるし、医師に対するマナーでもあると思います。というのは、他院の薬が判らない時には、こちらがきっちり対応しようとすると(私はそうする性格なので)、余分のエネルギーを相当使うことになることを想像してほしいと思います。