2018年1月17日水曜日

063 カロリー制限がうまくいかない人の誤解?言い訳? (2006.11)

63. カロリー制限がうまくいかない人の誤解?言い訳?  (2006.11)

成人の肥満の根本的な原因は、①美食を知った人間は食べるという快楽に弱いので飲み食いし過ぎてしまう、②肉体活動や精神活動の機会が減って、エネルギー消費が減る(脳も多量にブドウ糖を消費する)、③身体固有の基礎代謝量も減ってくる(体温も下がってくるし、他の生理活動も低下してくる)、などでしょう。もし肥満を解消しようと思えば、少なくともこの三つを解消しないといけない。③は個人差もあるが加齢が原因。②は加齢が大いに関係する、①は加齢との関連はあいまいであるが、勤労が減ると暇になるので、暇にあかして食べ過ぎるパターンが多いので、やはり加齢とも関連がある。ようするに忙しかったら呑気に食べている暇がない。
このうちで、自分自身で改善しうるのは①と②であり、③は医師以外は手出しは難しい。私自身は②の問題をしっかり解消するのが一番と思っています。やはり、天にもらった身体は不具合がない限り動かさないとお天道様に申し訳ないと思います。それに沢山動けることは有難いことです。私自身は天に感謝をして動き回っています。(だから、もし膝が痛かったらそれは大問題なので、装具などの簡単に出来る対策を真剣に実行するべきでしょう)その前提で、次に①の問題に敢えて絞って書いてみたいと思います。

無理に極端なダイエットをして、その結果、やせたのは良いが体調が変になってしまったというのも問題ですが、ここでは別の切り口を強調したいと思います。臨戦態勢と平時態勢では対応が同じはずはありません。例えば、度を超した肥満は平時ではないという認識がいると思います。そんな時に常にカロリーも計算通りでバランスを崩さないという風な栄養指導は単純思考であると思います。現に、超肥満の人に専門医師の管理の下で、超低カロリー食という治療もあるのです。ある程度、肥満が改善してきたらそれに応じて平時の状況に戻してくればよいと思います。ところで、実際に多い話は次のようなものです。
全く体重が減らない人がしばしば訴える内容が、「食事も少ないし、間食もしないし、これ以上どうするのか?」ということです。栄養指導の機会に、詳しく調査すると、案外カロリー過多であったと判る場合があります。しかし、本当に調査してもその通りならどうなのか? 私はこう思います。「それだけ摂取量が少なくてもこの肥満の身体を十分に維持しているのですから、カロリーが少な過ぎることはないはずだ。①の問題があるので非常に難しいことは百も承知だが、理屈だけでも理解して頂きたいという観点からは、もっとカロリーを減らす余地がある。こういう話は成果主義であって、結果が不十分なら対策が不十分だということである。

ここで喚起したいことは、消化吸収能力の個人差が大きいはずだということである。口に放り込んだらそれは身体の中と思うのが勘違いであり、吸収されなかったら結果的には身体の外なのです。だから、家族の他の人間とも比較にならないのです。個人情報になってしまいますが、私のワイフは肉体的にも精神的にももの凄く働き者です。基本的に怠け者の小生とは反対なのです。ところが結婚以来、食事量は常に僅かのように思われます。大丈夫かなと気になることもあったのですが、栄養的に破綻したこともありません。多分、消化吸収の効率が余程良いのだろうと思いますが、体温も低いし全般的に副交感神経緊張的な面があるので、基礎代謝量が小さいのかなとも理解しています。


以上は、体重を減そうと思った場合における、合理的と思う考え方を書きましたが、「そこまでして体重を減らそうとは思わない」と思うことも自己決定ですから、その場合は、それを尊重してよいと思います。