2018年1月17日水曜日

015 痩せ薬による健康被害について思うこと (2002.09)

15. 痩せ薬による健康被害について思うこと  (2002.09)

最近、痩せ薬による健康被害について大きく報道されており、何人かは死亡されたように聞いています。特に、一部の中国から輸入された商品の中には、発がん性で規制がある物質が含まれているとか、その他成分表示がなかったり不正確だったりの不都合があるので、販売禁止に指定したなどという内容かと思います。加えて、先ず本当に効果があるのかも十分なデーターが示されていないという状況をお忘れなく。

先ず、このようなルートの商品(といっても目的からもこれは立派な治療薬です)を服用しても大丈夫であろうと思うことが大変不思議です。中国のものがどうのこうのという以前の問題です。日本製であっても基本的に同じように危ういと思われます。ところでその中国ですが、私個人は「今の中国からのものをよく信用するなあ!」というのが正直のところです。最近までの中国は基本的に非民主的な国で、人権感覚も不十分だし、ビデオやCDの海賊版で著作権の侵害を続けてきた人の多い国ではありませんか。私は10数年前に中国に出張しましたが、ちょうど「イチマルイチ、101」という中国製のハゲ薬が日本で大ブームになったところで、日本では入手困難になってきていました。そして、北京の有名な同仁堂という薬局にも立ち寄り、かつ私はハゲ出していたのをひどく気にしていた!という状況でしたが、私は買いませんでした。絶対に怪しいという確信を持っていました。その後ブームはすぐに去りました。そういう私も実は、数年の間、大正製薬の「リアップ」を用いていました。発売時にある程度効くことは間違いないと思えた薬品だからです。これは効きましたよ。ただし、私には大きい効果はありませんでした。それで、もう忘れてしまっています。

痩せる薬は以前からあります。脳の食欲中枢を抑制する薬です。ただこれは、一部の超肥満に対してのみ適用があり、小生は使用経験なしです。他を探すと、気分を悪くするような薬や下剤も連用すると痩せることが出来るでしょう。ただ、体を壊すことは覚悟ですね。もう一つは甲状腺ホルモン剤です。バセドウ病でご存知の通り、このホルモンが多過ぎると痩せてきます。この薬は作用機序も副作用についても情報がしっかりありますので、全身のチェックをしながら、医師が厳重に量を管理して服用させれば、不都合を来たさないで痩せることが出来るかも知れません。しかし心不全の危険があるとか不整脈が出易いとかの病的な状態です。実はどうも実際の通販痩せ薬の中には腹具合の悪くなる成分や甲状腺ホルモン剤が入っているのもあるようです。いずれにしても、服用を止めると元に戻ってしまうのが「落ち」であるのでしょう。


「栄養素の体内での処理を改変して肥満を解消する」薬が通信販売ルートにあれば、かなり危険だと思います。何故なら、一般に体内の代謝を直接変調させるような薬は、肝臓や筋肉になどに重大な副作用を起こす可能性を孕んでいます。最近も、糖尿病のインスリン感受性を改善するという、話としては画期的な薬が販売されました。沢山のデーターを集めて厚生省の薬事審議会でパスしたものです。それでも、販売後に死亡を含む重大な副作用が散見されるに至り、小生は現実には使用しにくく感じています。➜(注)その後、この薬剤(ピオグリタゾン)は、副作用はあまり問題でないことが認識され、広く利用されるようになり、私も現在はよく用いています。また、現在よく用いられているコレステロール、中性脂肪、尿酸などの改善剤(これらの効果はかなりはっきりしています)も、稀ですが、そうした重大な副作用のリスクが周知されています。そこで、効果の判定とまさかの副作用のチェックのために定期的な採血検査や問診をしています。